記憶の水底

3月28日(水)

軽暖の匂いがしてくる


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少し早めに会社に行かなければならず、8時に起床。9時出社。
普段よりも早い時間に出たからか、心なしか仕事のエンジンがかかるのも早かったような気がした。
いつも以上にすっきりした頭で業務をこなしていくことができ、12時頃、外での仕事のために多少バタつきはしたものの(お昼を食べる時間が10分ほどしかなかったが、最近日中にあまり腹が減らないのでそんなに気にならない)、大きなミスもなく、19時過ぎに退社。
なるほど「残業がしたくないなら早く出てこい」という俗諺のような言い回しは、「後ろにずれ込む時間を前に持ってこい」という意味ではなく、「人よりちょっと早く出ると静かな環境でエンジンをかけられるから、仕事がスムーズに進みやすいぞ」ということだったのかもしれない。

ま、早起き苦手だしめったなことがなきゃ朝早くなんか行かないけどねー。

退社後はいつもと趣向を変え、近所の蕎麦屋にて夕食。盛蕎麦大盛りと、まぐろ叩き丼と、野菜てんぷらを食べた。たらふく。
で、20時頃に帰宅し、満腹感と疲労感でそのままベッドで気をうしなってしまう。なんか先週もやったな。
とはいえ先週と違うのは辛うじて2時間後に起床できたことで、そこからアニメを観たり、FGOイベントにラストスパートをかけたり、軽くを本を読んだりした。

就寝は27時過ぎ。いつもより更に遅いが、まあ、途中休憩を挟んだしむしろ丁度いいだろうとの判断。
あるいは逆に、帰宅後すぐに寝たことで、社会から一度リセットされて、気持ちを新たに夜の時間を過ごせたことが楽しかった気さえした。
うまく「寝落ち」をコントロールできるようになった暁には、こういう生活リズムを組んでみるのも良いのかもしれない。
コントロールできるようになるかは知らない。望み薄。


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あと、夜中。
大学時代の恩師が月曜日に亡くなった、という話を、同期からLINEで聞かされた。
在学時代、卒論を見ていただいていたあたりから具合が芳しくなさそうであったことはわかっていたし、来年度からサバティカル休暇を取られつつ定年まで勤められるとも友人から聞き及んでいたので、割合と調子が良くないのだな、と悟ってはいたが、こんなに早く離別となってしまうとは、本当に残念でならない。
できることならもっとご指導を賜りたかったし、今後万が一にでもまた学問の環境に入りたくなったときには、一番に相談したい方でもあった。
だのに卒業して以来、一度もご挨拶に行けず、連絡すら取れなかったのが本当に悔やまれる。やはり少しでも連絡を取りたい、と思った時には相手とコンタクトを取るようにしなければならないのだなあ、と、今回も今回とて遅すぎる気付きを得たのだった。
可能ならば、いやなるべくなら翌日の通夜に参列したい、と思いつつ、この日は大学時代の同期二人と連絡を取り合って、一度考える時間を設ける。


一方で、Twitterでは数年前から懇意にしてもらっているフォロワーさんが入籍されたとの吉報も受け取った。
上述の件でショックを受けていたところに飛び込んできた報せだったので、(こんな言い方も失礼かもしれないが)いっそう目出度いことのように感じられた。
祝電、祝儀でも添えられれば一番なのだろうが、残念ながらそこまで相手を知っているわけでもないため、リプライのみで、簡単にお祝いを申し上げる。
どうか、末永く。


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主体的な人間関係も、客体的な人間関係も、次第に変わりゆく。
暖かいような、まだ冷たいような。
そんな春のぬくもりを部屋で想った、3月末の、ひとつの夜だった。